反射鏡筒でレデューサを使うための主鏡移動方法について残しておこうと思い記事にしました。私が使っている25cm反射鏡筒(ドイツTeleskop Service社製UNC25410)で、チェコ製ASA 2korrレデューサ(0.73倍)を使うとF4がF2.9になって大変魅力的ですが、レデューサを使えるようにするには、主鏡の位置を筒先側へ35mmくらい移動させないといけません。
その移動方法は単純には主鏡のかさ上げのようなものです。
①当初は主鏡固定セルの傾き調整に使う押しネジと引きネジの長さを35mm伸ばせ
ばよいと考え、ホームセンターでボルトを買い、ネジ交換でやってみました。
35mmも長いとネジを強めに締めても、鏡筒を傾けるとセルは重力で移動してし
まい光軸は簡単にずれてしまいました。やっぱなぁ~でした。
②対策は引きネジ部に四角形アルミ材を介してネジの傾斜を防止する、と言うやり方
ですが、レデューサを使わない時にオリジナル仕様に簡単に戻せて、また短焦点化
改造もさほど手間がかからずにできるようになりました。
四角形アルミ材はネット通販でカットしてもらったものを購入し、ネジを通す穴の
加工や鏡筒側への固定用セルへのネジ加工は自作しました。
<主鏡かさ上げ前の状態>
主鏡の上にあるのはツメ隠し用のリングと乾燥空気送風用のノズルです。
<押しネジと引きネジ>
短焦点化用の引きネジ側にはかさ上げ用の四角形アルミ材を使い、その上の
アルミ板の目的は注意点に書きましたので、そちらを参照下さい。
<主鏡かさ上げブロック組付け後>
引きネジ3箇所の四角形アルミ材は鏡筒固定用セル側にL字アングルを介してネジ
で固定しています。(写真左側の四角形アルミ材にあるネジ)
<改造での注意点>
引きネジを回してグイグイとセルに入っていくと、ネジ先端が主鏡の底を傷つけ
てしまうため、ネジ先端が絶対に主鏡底に達しないようにボルト長さを選択する
事が必要です。底上げ量は接眼部での焦点位置によるものの、筒外焦点位置を精度
よく測れないため、私は計算値より少し長めのボルトを選択しました。
これで問題となるのが、上記の干渉です。
四角形アルミ材の上のアルミプレートは、この干渉防止用のスペーサです。
改造や元に戻す作業は30分もあればできますが、その後の光軸合わせは当然簡単と
はいきません。光軸調整後は鏡筒をいろんな角度に傾けても変化しないかどうか
確認し、ズレが起こらなければ完了です。
なお笠井のGinji150は筒外焦点位置(接眼部の焦点位置)が大きいため、短焦点化の
改造が不要で、Ginji150と同等のAstroTechの15cm反射鏡筒で2korrを使ってい
る方は結構見えるようです。こちらもF3となり明るさはイプシロンに負けていませ
ん。"(-""-)"