C#7の星空周遊

愛知県の山とベランダで星空撮影

PixInsightでの星周囲の黒点発生原因と対処方法

天気悪過ぎて遠征もできず、ベランダ撮影もなかなか機会がない。モチベーションがドンドコ落ちてきた(*´Д`)。そこでPixInsightでの画像処理で以前から解消できていない問題に取り組んでみた。

問題とはモノクロ2bin画像のWBPP処理後に、
星周囲に黒点や酷いとリンギングもどきが発
生する。なお1bin画像では起こらないので
2bin固有の処理に由来する。
右図はRフィルターでの2binスタック後のも
ので、この大きさでは黒点がある事までは
分からない。
(なおベランダ撮影のためフラットは補正し
切れていない)

次の画像は、上の写真の四角で囲んだ星を
WBPPのプロセスで cosmeticとRegistration
処理後でどう違うかを比較したもの。
Registrationのプロセスで黒点が発生している
事が分かった。

元画像見てもノイズはないので、Registration
(=Star Alignment)処理で使っている何らかの処理のようだが、サッパリ分からない。

Registarationブロセスには、最初にPixcel
Interpolation(ピクセル補間)と言うメニー
があり、DefaultではAutoになっている。
これって何だろうかと調べて見た。

画像処理で画像の拡大処理を行う場合、当然
画像を引き伸ばすと画質劣化が起こるため、
欠落や不足データをどう補うかがキーになる。
その「補間」方法には以下のようなやり方が
ある。


最近傍法 Nearest Neighbor
 追加したい画素」を「その画素に一番近い画素と同じ」と仮定して画素を補う
バイリニアBilinear
 4個のピクセル参照して処理し、最近傍法の改良版で最近傍法より滑らか
バイキュービックBicubic
 16個のピクセル参照して処理し、輪郭を強調してシャープな画質かつバイリニアより滑らか画質
ランチョスLanczos3
  36個のピクセル参照して処理しバイキュービックより高画質

あれ? これってPixcel Interpolation内にあるヤツとおんなじだ !!

この補間方法で黒点発生に差が出るかもと予想し、それぞれの補間方法でどうなるか比較してみた。
比較した結果が右写真であり、黒点の有無
が補間方法で明確な違いが出た。!!
Bicubic 黒点あり  Lanczos リンギング
Bilinear 黒点無し   最近傍 黒点無し

この処理にはWBPPではなく、Star Alignment
プロセスを使うと簡単にやれる。
cosmetizedフォルダーにあるノイズ処理の
済んだ画像を使い、参照画像は1bin画像を
指定しておけば、2bin画像の拡大処理も行
われ、補間処理が行われる。

Lanczos3法での黒点は顕著であり、上の2つ目の写真右にある「Auto」で処理した画像と一致した。画質最良となる筈のLanczosで何と最悪画質となっていた。Auto設定で最悪処理をやってたことになる
2bin画像での黒点防止にはバイリニアか最近傍法Nearest Neighborと分かったので、長年のモヤモヤが無くなりスッキリとなった。なお1bin画像ではPixcel Interpolationは使う事はないため、WBPPでの設定をBilinearや最近傍法にしても問題ない。