C#7の星空周遊

愛知県の山とベランダで星空撮影

くじら座の銀河 M77とNGC1055

うお座M74の近くにあるくじら座のメシエ天体M77は、写真左側の銀河で撮ってみると銀河中心が異様に明るく、一方銀河腕は極めて淡い。銀河中心のブラックホールに落ち込む物質量が多く、中心核は極めて明るいというセイファート銀河のひとつなのだが、国立天文台での調査研究によれば、このM77中心核へ落ち込む物質の起源を調べた結果、衛星銀河の物質だと分かったと書いてあった。この写真でも銀河腕は結構淡いが、衛星銀河にあった物質は更に外側に薄っすらと分布していて、当然この写真には片鱗すら見えない。
 (参考文献 : 国立天文台 すばる望遠鏡観測成果論文 2017年10月31日 
      論文タイトル : 衛星銀河の合体が超巨大ブラックホールに活を入れる)
写真右側のNGC1055はM77とは重力相互作用の関係にあり、その銀河間距離は44万光年とあって、天の川と隣のアンドロメダ銀河間の距離230万光年に比べて随分近い。
(2つの銀河の地球からの距離は5000~6000万光年)

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撮影日時 : 2019.10.31 PM23:50~ 撮影場所 : 茶臼山面の木
機材 : FC100 +FC35(F5.2, 528mm) + QHY178M + Baader LRGBフィルター
   EQ6Pro + ASI120MM + PHD1
撮影条件 : カメラ冷却温度-20℃ gain=5, offset=270
            L : 1bin 10分×9枚, RGB : 2bin 各5分×3枚 総露光時間 135分
画像処理 : ステライメージ8, Photoshop CC