C#7の星空周遊

愛知県の山とベランダで星空撮影

惑星状星雲 Abell 24 とセルフフラット応用

こいぬ座プロキオンのすぐ近くにあるAbell 24は相当淡いかもと思っていたが、最初に撮ったビニングなしのL画像ではやはり相当淡くて手強そうな感じだ。しかしカラーを2binで撮影した所、レッドでは割に明るく写ったのは以外だった。またしても庇が近くなってきて、十分な露光とならなかったが、画像処理してみると見るに耐えるレベルなのでホットとした。
鏡筒+フィルター+カメラの組み合わせが初めてだったため、フラット補正用のELパネルでのデータは撮っておらず、ステライメージでのセルフフラット方式で補正した。セルフフラット方式は、星雲が淡い場合に周辺減光やカブリで星雲より明るい背景ムラがあると明るいムラは補正出来ずに残る。この弱点をカバーするため、今回はちょっと工夫してみた。
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撮影日時 : 2020.02.04 PM21:15~ 撮影場所 : ベランダ
機材 : FC125+FC35 (F5.3, 660mm) + QBPフィルター + QHY178カメラ + Baaderフィルター
   EQ6Pro + ASI120MM + PHD1
撮影条件 : L : 1bin 10分×5枚、RGB : 2bin 各5分×3枚、 総露光時間95分
画像処理 : ステライメージ8, Photoshop CC

背景に明るさムラがある場合のセルフフラット応用方法

右の写真はLRGB合成後の画像で、星雲の淡い
部分より背景の方が明るくなっている部分が
あると、このままセルフフラットを行っても、
背景の明るい部分は補正されずに残ってしまう。

惑星状星雲のような小さな対象なら背景の明る
さと切り離すことが容易なので、上記の背景の
明るい部分は以下の手順で補正できる。


①最初に元画像に対して「周辺減光/カブリ補
 正」を使って、惑星状星雲を中心にして周
 辺の輝度をグンと下げてやる。(右画像)
 これで星雲と背景の切り離しがし易くなる。
 
②①画像のコピーを作って、これをセルフフラ
 ット画像に加工していくが、星を消す作業は
 アストロアーツのホームベージに書いてある
 手順で行っていく。


③セルフフラット画像でもうひとつ肝心なのは
 しきい値だ。アストロアーツのホームページ
 に書いてある方法だと定量的ではない。
 右画像にあるように、ピクセル情報で表示さ
 れた数値のRGB平均値を、レベル補正の最大
 値欄に入力した方がやり易い。
 「レベル範囲外切り詰め」を行って画像を
 保存する。



④右の図はセルフフラット画像を使って補正し
 た画像の背景の明るさ分布で、十分補正され
 て色むらも消えたスッキリ背景となった。