夜になって晴れ間が広がってきた。予報や衛星画像見ても晴れてくるとは思えないが、西空に雲がない!! ダメ元で機材を北側の共用通路にセットした。先月遠征でカラーデータが撮れなかったNGC5985銀河をQBPフィルターで何とか撮れないかとやってみた。期待しつつ撮れた画像を見ると、NGC5985の隣の楕円銀河はそこそこ写っていたが、主役の渦巻銀河は薄っすらで銀河腕はかろうじて見える程度だ。
已む無く諦めたが、こんな夜に止めてしまうのは勿体ない。NGC7000の半島部に望遠鏡を向けた。いつ雲が来てもいいようにとカラー画像から撮影を始めて、その後はひたすらL画像を撮影したが、撮影中雲の通過はなく終わってみれば2.5時間も撮影ができた。LRGB合成で仕上げてみると、明るい赤色星雲の上の方が少し青っぽくなって、ちょっとハッブル風な色合いになった。B画像見るとこの部分だけやや明るい。青の正体はO3なのかHβなのかは分からない。
ところで、このNGC7000星雲を励起させる星はデネブとの説があるが、SIMBADデータでNGC7000は距離1890光年(Wikipediaでは1600光年)とあり、一方デネブはWikipediaでは2616光年(ステラナビ最新版では3230光年)となっていて、地球から見てデネブは星雲のずっと後ろにあるようだ。見た目と全然違うようだ。
撮影日時 : 2019.07.04 PM22:20~ 撮影場所 : ベランダ
機材 : TS25cm反射(F4,1000mm) + QBPフィルター+MPCC+
Baader LRGBフィルター + QHY178カメラ
Baader LRGBフィルター + QHY178カメラ
撮影条件 : カメラ冷却温度-15℃, gain=5, offset=270
L : 1B 5分×20枚、RGB : 2B 各5分×3枚 総労働時間145分
画像処理 : ステライメージ8 、Photoshop CC