C#7の星空周遊

愛知県の山とベランダで星空撮影

撮影ソフトでのFITSファイルヘッダー情報書込みの影響

PixInsightでの画像処理入口でつまづき、FITSファイルのヘッダー情報を自分で編集する羽目になった。同様の目に遭った人がいるか検索しても見当たらず、あれこれ調べてやっと解消方法が分かったので、顛末を残しておくことにした。いつもは撮影ソフトにQHYのEZCAP-QTを使っていたが、たまたま全自動撮影にしようとAPT(Astro Photpgraphy Tool)を使った事に起因していた。
カメラ QHY183M、バイアス、ダーク、フラット撮影 : EZCAP-QT使用、フィルターは手動(Ascom経由)
ライト撮影 今まで 撮影ソフト EZCAP-QT、フィルターは手動(Ascom経由)
      今回  撮影ソフト APT、   フィルターはAPT制御(Ascom経由) ⇒ 全自動撮影
問題は、PixInsightのスクリプトWBPを使って
のインテクグレーション(=コンポジット)で、
ファイルデータを入れダイアグをONにする
と、右のようなメッセージが出てきた。
「フィルターが不整合なので処理は
されない」と。ゲゲゲっ!!


画面をよくよく見ると
フラットデータの所では ⇒ 「No Filter」
上の図ライトデータの所では ⇒ Filter1
と違っている。つまりフィルター情報の食い
違いが起きている。フラット撮影のフィルター操作は手動なのでFITSヘッダーに記録されないが、ライト撮影はAPTでのフィルター制御のためフィルター番号がヘッダーに書き込まれる。PixInsightのファイル間の整合性チェック機能は良いかもしれないが、フィルター情報を自己管理しているユーザーにとってはお節介でしかない。
補足)APTはファイルネームにフィルター番号を自動付加できるので、ユーザーはヘッダー情報を確認する必要はない。

FITSヘッダーはステライメージの画像情報
で右図のように 確認する事ができる。
しかもヘッダー情報の編集・削除がやれそ
うだ。早速Filterの行を削除し、ファイル名
を変えて保存した。ファイルの一括処理は
できず1つ1つの作業で面倒だが已む無し。
全ファイルのヘッダー情報を書き換えて、
いざWBPで処理とやってみたら、
「あれれ!?! 何も変わっとらん!!」
ヘッダー情報を確認したら元のままで何も
変わっていない。どうもステライメージの
バグのようだ。
                    
FITSヘッダー編集がやれるソフトは、国内 
ではステライメージしかない。海外ソフト
を探してみると、フリーの編集ソフトが見
つかった。
ステライメージと違って一括処理がやれて
大層便利だ。書き換えの済んだファイルを
WBPに入れるとダイアグは「OK」の文字だ。
やっと正常に処理ができるようになった。
APT使っての全自動撮影はたまにしかなく、
かつPixInsightでの画像処理でなければ、
FITSヘッダー書き換えの必要はないので、承知の上で使っていくしかなさそうだ。

後日Astroarts社へステライメージの上記バグを連絡した所、「バグを確認した」と回答があった。なお「削除」はバグっていたが、「削除」の隣にある「編集」を使うと不要な行は消せて情報も書き換わった。ただ一括処理はできないので、バグが治っても使う事はほぼ無い。