先日の薄雲中の月食写真に関して、2値マスクを使っての薄雲消しの処理方法を知りたいと言う要望があったので、処理手順をまとめてみた。
2値=2階調であり、所謂単純な白黒画像の事。
手順
①背景画像のコピーレイヤーを追加
以降コピー画像をマスクに加工していく。
モノクロ化してレベル補正で単純に切詰
めても、薄雲中の月近傍の明るい部分も
強調されてしまい、これではマスクとし
ては使えない。
②コピー画像の「白黒」での編集
月は見るからに赤っぽく、レッドやマゼ
ンタで強調すれば、邪魔な雲の反射光と
の階調差を大きくできる事になる。
「白黒」ツールを使ってこの処理を行う
と、右図のように月の全体の輝度が上が
って月の外形は明瞭になる。
③2値化(=2階調化)
②画像には薄雲が残っているため、これ
を消す必要がある。レベル補正での切詰
で行うと、薄雲の明るい部分の輝度も上
がって消せない。
消したい部分との階調差がある場合は
白黒2階調化で容易に不要部分が消せる。
2階調化ボックスではデフォルト=128で
不十分の場合は、
月内部=真っ白、月以外=真っ黒 となる
ように諧調のしきい値で調整する。
④諧調の反転
(解説用の画像無し)
背景の薄雲除去のためには、背景をマスクしない反転マスクとする必要がある。
メニーでイメージ→色調補正→階調の反転 の操作で行う。
⑤薄雲除去
上記の階調反転画像を読込んでレベル補
正のマスクとして使う。諧調切り詰め操
作で薄雲は消えスッキリ画像が得られる。