C#7の星空周遊

愛知県の山とベランダで星空撮影

Sh2-308のPixInsight再処理 ( PixelMathの作図機能活用 )

PixInsightのツールの中で、PixelMathは大変有用で慣れてくると使い勝手が良い。数式作りのルールはJavaScriptのようで馴染みが無いものの、式を作る上で使う変数や関数や演算子については解説文があり、ネット上の事例なども見れば、何やら自分でも作れそうな気がしてきた。そこで2年前に撮影したおおいぬ座のSh2-308星雲を例題にして、PixcelMathでマスク画像作成をやってみた。いぶかりつつやってみた所、円マスク作成ツールができてしまった。と言っても単純な円マスクなので応用範囲はそう多くないが、おぉ使える!! となった。
◆再処理した最終画像
L画像にOⅢ画像をブレンドしてLRGB合成→Masked Stretch + Expornential TransFormation(PIP Function)で星輝度UP、その後星雲色強調で仕上げたもの。
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◆マスクでの背景補正
下の写真の左側はSh2-308のOⅢ画像で、周辺減光補正が良くなく背景にリング状の模様が残っている。右はPixelMathで作ったマスク画像を使ってこのリング背景を消し去ったもので、結果はまあまあ、
この程度の加工はPhotoshopを使えば簡単にやれてしまうが、それはさておきだ。
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◆PixelMathでの円作図
最初にpixelMathで径の違う白円を2つ作図した。PixcelMathのSymbolsにパラメータを設定して、円中心座標と半径を入力すれば任意の位置に作図できるようにしたので、作図自体は簡単にやれる。円の中心座標は元画像上で読み取れる。円は星雲本体と異形の部分が入る程度に2つ作る。
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◆ClonestampとConvolutionによる加工
Clonestampで2つの白円を繋ぐように加工し、ConvolutionのstdDevを100にしてぼかす。これでマスク用画像は完了。OⅢ画像にこのマスクを付け、Invert(反転)させて加工すれば背景の輝度はぐんと落とせる。
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◆参考) PixelMathのExpressionsとSymbols
画像の原点は左上隅、x軸は横右向き+ ,y軸は下向き+、数値の単位はピクセル
Expressions中の変数や定数値はSymbolsで定義する。cx,cyは円の中心座標、rwは白円サイズ、riは0以上にするとドーナツを生成、cofは白の明度で任意に設定(Max=1)
x(),y(),r1,rは計算に使用する変数で入力値は無い。Symbolsの=記号のある所に必要な数値を入力して、マスク用画像上でインスタンスをドロー&ドロップする。
下の式中の記号がこのブログではテキストとして使えないため画像化した。ご自分のPixelMathでやる場合は ; や , は必須、また余分な空白もNGなので注意。
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◆2年前の記事(Sh2-308)
kenwoodyjoy.hatenablog.com