C#7の星空周遊

愛知県の山とベランダで星空撮影

Image Calibrationのoption

先日PixInsightのフラット補正が合わないため、ステライメージでやってみたら上手く行った、と言う記事を書いた。処理後のライト画像の中央が少し暗く落ち込む過補正状態になる。その後いろいろ調べ、更にPixInsightのForumにも聞いてみて、Image Calibrationでの処理条件設定が間違っていたと分かった。ここ1年くらい間違った条件で処理していたと云うのが結論で、これから再処理しないといけないが、戻り梅雨で時間はたっぷりだ。
右の画像は Image Calibration processの画面だ。
PixInsightの使い方でLight Vortex AstronomyのWebサイトを参照している方は多い。私はこのサイトでのmaster flat作成処理手順を参考にして設定していたが、サイトではoption設定の解説はしておらず、私もoptionの中身を理解していた訳ではないため、今回のトラブルを機に改めて設定の仕方を調べてみた。
パネル図の中ほどにある Master Bias の欄にある「Calibrate」の意味は「オーバースキャン設定が有効の場合にONにする」となっている。オーバースキャンは普通削除しているのでチェックを入れなくてよい。自分の場合もOFFであり、ここでの問題はない。
次にその下の Master Darkには2つのオプションがある。Calibrate は Master Dark を Master Bias で減算する時にチェックを入れるとあり、ここはONにしないといけない。所がLight Vortex Astronomyでの処理手順での例では CalibrateはBias同様にOFFになっている。これに倣った事が正しくなかったとなる。Forumからの回答も OFFが原因だと指摘された。しかしLight Vortex Astronomyでの処理操作は3~4年前のバージョンで書いてあるため、当時はそれで良かったのかもしれない。PixInsightのTutorialにあるImage Calibration processは相当古いバージョンで書いてあり、master flat作成でのoptionの中身は最近の内容とは違っていて、これも混乱の元になっている。
フラットデータの処理は [flat - bias] - [dark - bias] の演算で行われるが、CalibrateをOFFにしてしまうと [flat - bias] - [dark] の計算になってしまって、flatデータは多めに減算されることになる。Forumのコメントは「ケラレたようになる」と言う表現で理解できなかったが、要は減光曲線がまともでなくなると言う事だ。
なお その下の Optimizeは、dark flatを撮らずにlight darkを使う場合にONにする場合の補正が有効になる事と、もうひとつ別の機能があり、dark減算で出るノイズを防ぐためにもONにすべし、となっている。OptimizeはONでもOFFでもフラットデータの周辺減光曲線がおかしくなる事とは関係無いようだ。