秋めいた風が吹いてくるとベランダもさほど熱くならず、汗をかくこともなく天体撮影がやれる。8/30の月齢8.7と明る目ながら秋めいた空なら撮り易く、天頂付近の網状星雲をナローバンドフィルターを使って撮ってみた。AOS各10分×2枚の予定で始めたものの、残念ながら最後の1色は曇って来て1枚で終わってしまった。
それでも網状星雲のフィラメントは酸素の輝線も強いのでそこそこの写真になる。
ベランダ撮影で一番厄介なのはフラット補正であり、人里離れた遠征地と違って建物からの反射光や市街地の灯りなど光源はあちこちにある。更に周囲の暗い遠征地ではそれほど気にしなくて済む接眼部周りの僅かな隙間からの迷光も対処しておかないといけない。おまけに望遠鏡の向きによっては露光時間が長いとフラットの変化も結構出てくるため、スカイフラットでも十分ではなくなる。街中ベランダでのナロー撮影は、遠征に比べたら格段にお気軽となるが、フラット撮影と画像処理を考えたらとてもお手軽とは言えない。しかし月夜でも天体撮影が楽しめるのは有難い。
撮影日時 : 2017.08.30 PM21:27~ 、 撮影場所 : ベランダ
機材 : Ginji150 + 2korr (F2.9,430mm) + QHY9S-M
フィルター : Optlong Hα, OⅢ, SⅡ(半値幅7nm)
EQ6Pro + ASI120MM + PHD
撮影条件 : -15℃, Gain:11, Offset: 112、Hα・OⅢ:各10分×2, SⅡ:10分×1枚