C#7の星空周遊

愛知県の山とベランダで星空撮影

遠征空振りとStarNetの使い方再考

晴れ間が出そうなGPV予報に期待を込めていざ山へと出かけたものの、面の木も段戸山も天の川は数分見えて直ぐドン曇りとなり、7月遠征は撮れず仕舞いとなった。それにしても暑いこと!!  夜9時近くになって面の木でTシャツ1枚で寒くない。げに恐ろしや。
閑話休題
StarNetによる星雲マスクの良い点は、ボカシがないので星雲の微細な描写がやり易いことにある。しかしいろいろな画像に対してStarNetでの星雲マスクを使えばどれも上質な画像になるかと言うとそうでもない。元が悪ければと云う事に尽きるが、強調すると背景に近い淡い星雲部分の画質がガサガサになってしまうケースでは、StarNetでの微細描写はむしろ悪化を招く。この場合は星雲の微細描写は諦め、マスクのボカシでガサガサ画像になるのを防ぐ方が良さそうだ。

明るさ最小値とStarNetでの星雲マスクで星雲画質がどうなのかを比較してみた。
以下は、今年1月に撮影したSh2-280星雲での例で、星雲部分のみ切り出し。
<元画像とStarNet++処理の画像>
 星痕消しはPhotoshop CC2019での「コンテンツに応じた塗りつぶし」による。
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<星雲マスク> 
 明るさ最小値画像は、Photoshop 明るさ最小値3+ダストス&クラッチ8で加工し「白  黒」でレッドMaxにしたもの。両加工によってボケた画像になる。
StarNet処理での星雲像はシャープ感はあるが滑らかではない。
一番右側画像はStarNetの星雲画像をボカシたもの(レイヤー属性で操作)。

f:id:kenwoodyjoy:20190801174041j:plain <星雲画質の比較>
上記の星雲マスクの特徴によって星雲強調後の画像に差が見られる。見比べて直ぐ分かるような大きな差ではないものの、星雲の暗い部分を見るとStarNet処理のものはガサついた感じになる。これもボカシをかければ明るさ最小値での星雲マスクと大差なくなる。
                               ↓ 星雲全体がボワーっとまろやか

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↓ 暗く淡い部分がガサついた感じになる              ↓ ガサつきは改善

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結論としては元画像の画質見て星雲強調用のマスクはどう作るかと云う事になる。
なお散光星雲での星雲マスクはPhotoshopのチャンネルデータ減算処理(R-G)で作ったものとStarNetとで作ったものは大差ないので、赤のみ強調なら時間かけてStarNetで作る必要はないような気もする。

反射星雲や分子雲ではStarNetじゃないと作れないので、次はこれらの星雲でどうなるかやってみよう。
<参考>
  使用機材  鏡筒 FC100+FC35(レデューサ)、カメラ Nikon D5100(LPS-D1内蔵)
  撮影条件  ISO3200, 5分露光×21枚
  画像処理  元画像はステライメージ8 でコンポ、デジタル現像