C#7の星空周遊

愛知県の山とベランダで星空撮影

APT(Astro Photograph Tool)での注意点

新月期での撮影にAPTを使ってみようと、先ずはベランダでPoint Craftを確かめてみた。結果は良好で、天空の撮影位置を10秒以下で解析し、指定した座標へは30秒程度で正確に移動した。これは使える!!
日本語マニュアルを読んだりフォーラムのトラブル対策知見を参照しても解決できないトラブルは、APTフォーラムを通して開発者へ質問し助けてもらった。1つは初めて赤道儀に接続する時にConnect scopeを押すと、APTがフリーズした。原因は
AscomのTelescope chooserがバックグランドで動く事で起こると回答があり、Alt+Tabを使ってTelescope chooserボックスをアクティブにする事で解消した。
2つ目はQHY9カメラの撮影した画像ファイル保存先をDefaultのCドライブからDドライブに変更すると、Dドライブでは.fitファイルが保存されない、と言う問題。開発者に聞いても「へぇーそんなことがあるんかいな」だった。保存先をDefaultに戻せばこの問題は起こらない。フォーラムでは類似トラブル例は見つからなかった。
Defaultのままで使えるので問題はないが。
Point Craftは撮影した画像を使って解析が失敗するケースとOKとなるケースがあり、マニュアルを見てやっても解決できず参った。APTでの設定をいじっただけでは解決しない。Point Craftで解析に使っているソフトPlate Solve2(下図の黄色矢印)は単独でも動く。Plate Solve2を単独で動かし、いろいろさわって、解析前の設定で注意すべき事がやっと分かってきた。
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解析は10秒程度で済むので、解析時間がそれ以上だと条件を設定し直す必要があるが、これAPT側からはできない。
APT経由での解析でNot Foundの場合、再度解析スタートさせてからPlate Solve2を表示させ、設定を変えてやると解析できるようになった。












備忘録として以下の注意点を書いておく。
①先ずPlate Solve2で解析に使う星データのパスを入れてやらないといけない。
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APTマニュアルには書いていないので、なかなか気づかない。
Plate Solve2をのFileメニューで
右図の青反転Configure・・・を
クリックし、星データのAPM
CAC3PSのパスを入れる。
特に保存ボタンはないが、一旦パスを入れればOK。









②Plate Solve自身で解析用画像は階調切り詰めをやるので、露光時間のかなり小さい暗い画像でなければ使えるが、逆に明る過ぎる画像だとDefault設定では明るい星はカットされてしまう事がある。
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実際自分の露光時間の長い画像
だと明るい星は除外されてしまい解析できなかった。カットされないようにMax Star Size(星の最大サイズ)を30へ変更し、Delection ・・(しきい値)も10とすることで解析できた。

露光時間が5秒程度ならDefaultの設定でも
問題なく解析したが、撮影対象では様々なケースが起こり得るので、解析不能の場合はMax Star SizeやDelection Threshold
(検出しきい値)を変更してみる必要が出てきそうだ。









③Starting Parameters
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右図の黄色矢印①のRA, Decは撮影画像の中心座標なので、ステラナビなどで表示された値を入力すれば良い。座標値は正確でなくても良く、解析を開始するための出発位置のようだ。

その下は調べる範囲の角度で、
私は写野範囲のdegree値をステラナビから読み取って入力したが、APTでは広範囲の数値が入力されていて、Seach regionも
99999と凄まじい。
所が単独のPlate Solveではこの
APTによる数値でやると解析できないので、この差の理由が良く分からない。単独ならカメラ写野角で良く、Region値も999
で問題ない。同一の画像に対してdegreesの値とSeach regionsの値が、Plate Solve単独で解析する場合の設定とAPT連携での設定に違いがある。理由は分からない。

④APTでの解析ができないときの対処
カメラ機種や望遠鏡・レンズの焦点距離、画像座標値が正しければ、Point Craft
 (Plate Solve2)で注意すべき点は星像の明るさだ。20秒過ぎても解析終了にならない場合は、Plate SolveのEdit ParameterでMax Star SizeとDelection Thresholdを変える必要がある。APTでPoint CraftのSolveボタンを押すと、下図のようにタスクバーにPlate Solve2のアイコンが出てくる。このアイコンをクリックすることで
Plate Solveがアクティブになるので、Edit Parametersボタン(赤丸)を押して、上記項目の数値を変更し閉じるボタンを押す。その後Point CraftのSolveボタンを押せば新条件で再度解析が実行される。
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